STARTUP DBと国立大学法人東京大学(東京都文京区、総長:藤井輝夫)空間情報科学研究センター(柴崎研究室)による共同研究成果「スタートアップからスケールアップへ-成長概念とスケールアップへの課題」が「AAOS transactions 2022 (組織学会大会論文集)」に公開されましたので、お知らせいたします。
STARTUP DBと東京大学空間情報科学研究センターの共同研究プロジェクト「スタートアップ・エコシステムの構造分析」は、2019年9月から開始され、本研究は共同研究としては8件目(学会発表としては5件目)の成果物となります。
論文のURL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/aaostrans/11/1/11_156/_article/-char/ja/
スタートアップの中で、製品・サービス開発に成功し、顧客も確保して一定規模への拡大に成功したスタートアップ、すなわちスケールアップ企業はどのようなものかということに注目が集まっています。そして、このような急成長企業の成長パターンや評価指標は、近年の急速なデジタル化の進展に伴い大きく変化してきています。
このような状況を踏まえ、本研究では、成長企業の成長概念・定義の再整理を第一の目的とします。
第二の目的としては、具体的にスケールアップ企業を育成していくには、何が必要で、課題がどこにあるかを明らかにしていくことです。
そして、これらの結果は、スタートアップの支援政策立案、スケールアップ企業の育成プランなどにも活用することができます。
図1:高成長企業の定義・概念の変化
スタートアップや起業家をサポートするための一連の政策に大きな注目が集まっていることが、研究の背景としてあげられます。
そして近年、高成長企業(High Growth Firm)またはスケールアップという新しいカテゴリーの企業にグローバルで政策の焦点が当たってきています。
理由は、これらの企業の生産効率改善、新技術導入が、雇用創出と経済成長に大きく貢献していることが明らかになってきたからです。
すなわち、スケールアップ企業(高成長企業)が経済に及ぼすインパクトが大きいため、これを育成していくことが社会的にも重要な課題になってきているということです。
表1:スケールアップを表すそれぞれの言葉に含まれる概念
本研究で明らかになったこととしては、第一に成長企業を取り巻く環境の変化でその定義と概念に含まれる内容が変化してきているということです。
(図1参照)第二にスケールアップに特有の課題として、スケールアップファイナンス、デジタルイノベーション、人材管理、グローバル市場へのアクセスなどがあるということが明らかになりました。(表2参照)
表2:スケールアップに関わる課題
当社は国立大学法人東京大学 空間情報科学研究センターに対し、『STARTUP DB(スタートアップデータベース)』を提供し、「スタートアップ・エコシステムの構造分析」に関する共同研究を、2019年9月より開始。スタートアップの立地分析をメインとした共同研究を行った上で、得られた分析結果を活用し、地域復興やスタートアップ・エコシステムの活性化に寄与することを目指しています。