STARTUP DBと国立大学法人東京大学(東京都文京区、総長:藤井輝夫)空間情報科学研究センター(柴崎研究室)による共同研究成果の学会発表「ユニコーン育成のための研究課題の整理-資金調達の観点から-」が公開されましたので、お知らせいたします。
STARTUP DBと東京大学空間情報科学研究センターの共同研究プロジェクト「スタートアップ・エコシステムの構造分析」は、2019年9月から開始され、本研究は共同研究としては7件目(学会発表としては4件目)の成果物となります。
本研究は「ユニコーン企業創出のための資金調達面からの課題の抽出」を目的としております。特に資金調達において、ベンチャーキャピタル産業を中心とする金融制度面の問題が大きく影響するところから、この度、広い意味での制度面からの研究課題の洗い直しを行いました。
日本においてはユニコーン創出が政策的に重視される中で、特に金融システムを中心とした制度問題がしばしば指摘されていることにあります。
世界で1,155社のユニコーン企業(将来の大企業候補)が存在しているにも関わらず、日本企業はわずか6社に留まっています。一方で、ユニコーン企業がなかなか生まれてこない要因の実証研究は、日本においてはほとんど行われていない状況です。
そこで、本研究はユニコーン創出のためには金融制度面ではどのような課題があるかを中心に文献レビューを行い、今後の実証研究に向けての課題の整理を行いました。
本研究において、主に以下の3点について課題の仮説立てを行い、研究を行いました。
以下の研究課題に関しては、実証研究がほとんど行われておりません。
日本における文脈でデータに基づいた研究が必要であると考えております。
1:日本での大型資金供給問題:
国の公式な制度として、ユニコーン育成の途中プロセスでの大型資金供給の課題があげられます。例えば未上場株流通市場はあるにも関わらず、あまり活用されていないのはなぜか?IPOが比較的容易な日本では、上場後により大規模なリスクマネーの調達が可能であるはずなのになぜ活用されていないのか。
2:日本人のリスク回避志向の問題:
国の非公式な制度としては、日本人のリスク回避志向・集団主義がVC産業成長に対して、悪影響を及ぼしているのではないか。
3:日本に非伝統的投資家の資金が流入していない問題:
欧米諸国では、非伝統的投資家(ソブリンウェルスファンド、ヘッジファンド、投資銀行など)の資金が多く流入し、ユニコーン創出のエンジンになっています。一方で日本には、海外の非伝統的投資家の資金はほとんど流入しておりません。その理由はなぜか。
【東京大学との共同研究について】当社は国立大学法人東京大学 空間情報科学研究センターに対し、『STARTUP DB(スタートアップデータベース)』を提供し、「スタートアップ・エコシステムの構造分析」に関する共同研究を、2019年9月より開始。スタートアップの立地分析をメインとした共同研究を行った上で、得られた分析結果を活用し、地域復興やスタートアップ・エコシステムの活性化に寄与することを目指しています。
https://www.forstartups.com/news/tokyo-university-startupdb