資金調達とは?3つの方法とラウンド別の選び方を解説

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藤井 雄大 / オープンイノベーション本部STARTUP DBグループ

「ゼロから分かる スタートアップ用語解説」は、これからスタートアップについて詳しく知りたい人たちを対象に、基礎的な内容を分かりやすくお伝えします。

今回は、スタートアップの資金調達について、主に活用される3つの調達方法と、切っても切り離せない「投資ラウンド」を解説していきます。

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目次

1.資金調達とは?

2.資金調達の方法

3.スタートアップのラウンド別の選び方

4.資金調達を成功させる5つのポイント

5.まとめ

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1.資金調達とは?

資金調達とは、企業が事業を運営・成長させるために外部から資金を集める行為の総称です。

資金調達の目的は、大きく3つに分けられます。
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1.運転資金の確保:仕入れ、人件費、家賃など、事業を回すために絶えず必要になる資金

2.設備・成長投資:工場やシステム、新規事業など、将来の収益を生むための先行投資

3.時間を買うための投資:市場を競合より先に押さえるために、赤字を前提として一気に資源を投入する

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1と2はすべての企業に共通しますが、3はスタートアップに特有です。

この目的の違いが、選ぶべき調達手段を決定的に分けます。返済を前提とする資金では、数年にわたる赤字を支えられないからです。

関連記事:スタートアップとは?意味・特徴とベンチャーとの違いを解説

2.スタートアップにおける資金調達の手法

スタートアップの資金調達においては、 デットファイナンス・エクイティファイナンス・補助金/助成金の3つが主に活用されます。

それぞれにメリットとデメリットがあり、企業の状況や用途によってどのように調達するかを考える必要があります。

①デットファイナンス

デットファイナンスは、金融機関からの融資や社債などによって資金を調達する方法です。

メリットは株式の希薄化を伴わないことです。また、返済額と期間が決まっているため、資金調達コストを見通しやすく、完済後は返済負担がなくなります。

デメリットとしては、事業の成否にかかわらず、元本と利息を返済する必要があることです。

売上が安定していないスタートアップでは、毎月の返済が資金繰りを圧迫する可能性があります。また、信用力や事業実績によっては、希望額を借りられない場合もあります。

関連記事:デットファイナンスとは?メリットとデメリットを解説。スタートアップの活用進む理由は?【ゼロから分かる用語解説】

②エクイティファイナンス

エクイティファイナンスは、株式を発行して投資家から資金を調達する方法です。

原則として返済義務が無いため、研究開発や市場開拓など、収益化までに時間がかかる投資に適しています。

デメリットとして、新株の発行によって既存株主の持株比率が下がり、希薄化が生じることがあります。また、投資契約の内容によっては、重要事項の決定に投資家の承諾が必要となり、経営の自由度が下がる可能性があります。

関連記事:エクイティファイナンスとは?メリットとデメリットを解説。年間の調達額はどれくらい?【ゼロから分かる用語解説】

③補助金・助成金

補助金・助成金は、原則として返済が不要で、株式の希薄化も生じません。

対象となる経費や利用期間が決められており、審査や実績報告も必要です。多くは支出後に交付されるため、当面の資金を別に用意しなければならない場合があります。

日本の代表的な補助金制度として、政府によるSBIR(中小企業技術革新制度)があります。

関連記事:SBIR(中小企業技術革新制度)とは?イノベーション創出のために抜本強化。具体的なスタートアップ支援策を解説【ゼロから分かる用語解説】


3.スタートアップのラウンド別の選び方

ラウンドとは何か

スタートアップの資金調達は一度では終わらず、事業の進捗に応じて段階的に行われます。この段階を「ラウンド(投資ラウンド)」と呼びます。

ラウンドを理解する上で大切なのは、調達額の大きさではなく、そのラウンドで何を証明するのかが段階的に変わるという点です。証明すべきことが変われば、向き合う投資家も、相性のよい調達手段も変わります。

▼ラウンド別

ラウンドごとの相場

「シリーズAは何億円」といった相場は、市況やセクターによって大きく変動します。そのため、固定的な目安を覚えるより、直近のデータを確認する必要があります。

▼シリーズ別の資金調達金額(平均値)

※2026年 上半期国内スタートアップ投資動向レポートより抜粋

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4.資金調達をするうえで抑えるべき論点

希薄化:調達額ではなく放出比率で考える

エクイティによる調達を行うと、創業者の持ち株比率は必ず下がります。これを希薄化(ダイリューション)と呼びます。

重要なのは、希薄化はラウンドごとに累積していくという点です。ラウンドごとに20%ずつ放出していけば、数回の調達を経た段階で創業チームの比率は半分以下になります。持ち株比率が一定水準を下回ると、経営の自由度が下がるだけでなく、次の投資家から「経営陣にインセンティブが残っていない」と見なされて調達自体が難しくなることがあります。

関連記事:希薄化(ダイリューション)とは?具体例とともに解説。希薄化を防ぎながら資金調達する方法は【ゼロから分かる用語解説】

バリュエーション:高ければ良いわけではない

企業価値を高く付ければ、同じ金額を少ない株式の放出で調達できます。

ただし、実力以上の評価を付けると、次のラウンドで前回を下回る企業価値で調達する「ダウンラウンド」に陥るリスクが高まります。ダウンラウンドは既存株主との調整を難しくし、社内のストックオプションの価値も損ないます。

関連記事:ダウンラウンドとは?具体例を交えて解説。ダウンラウンドIPOもわかりやすく紹介【ゼロから分かる用語解説】

資本政策は後戻りできない

一度発行した株式を回収するのは、実務上非常に困難です。融資は返済してしまえば関係が終了しますが、出資は一度受け入れればEXITまで続く関係です。

この非対称性が、エクイティを「返済不要だから有利」と単純に言い切れない理由です。

5.まとめ

スタートアップの資金調達においては、負債を増やすデット、資本を増やすエクイティ、の大きく2つの分類があり、これに補助金・助成金を加えた三つから自社の状況に合うものを選びます。

急成長を目指す企業にとって重要なのは、手段の一覧を知ることではなく、今のラウンドで何を達成すべきかを定め、その目的に合った戦略的な調達の実行です。

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